
無料 vs 有料 ウイルス対策ソフトはどちらを選ぶべき?違いを解説
2025.4.10

リスクマネジメントを学ぶ情報セキュリティ管理士
無料 vs 有料 ウイルス対策ソフトはどちらを選ぶべき?違いを解説
サイバー攻撃から自社を守るには、ウイルス対策ソフトの導入が必要不可欠です。しかし、ウイルス対策ソフトには無料版と有料版があり、それぞれ機能が異なります。どのソフトを選べばよいのかわからない、とお悩みの方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、有料版と無料版のウイルス対策ソフトの違いやそれぞれのメリットおよび注意点、最適なウイルス対策ソフトの選び方を紹介します。

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ウイルス対策ソフト、無料版と有料版の違い


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ウイルス対策ソフトには無料版と有料版があり、機能が異なります。それぞれの違いについて解説します。
【違い1】基本機能の範囲
無料版のウイルス対策ソフトの主な機能は、ウイルススキャンおよび駆除です。一般的なウイルスからコンピューターを保護する機能のほか、危険なファイルやアプリをブロックする機能、怪しいWEBサイトを開いた際の警告表示機能がついています。
一方、有料版のウイルス対策ソフトには、ウイルススキャンや駆除機能に加えてサイバー攻撃へのセキュリティ機能が備わっているのが特徴です。具体的には、不審なコードの削除や感染元と疑われるサイトへのアクセスブロック、スパムメールの検出といった機能が挙げられます。
【違い2】ウイルス検出率
無料版よりも有料版のほうが、ウイルス検出率は高くなっています。近年、無料版のウイルス対策ソフトの性能も向上しているため、99.5%と高い検出率を誇るものも増えてきました。
一方、有料版のウイルス対策ソフトの検出率は99.9%~100%をマークしています。ウイルス検出率はそこまで差がないように思われるかもしれませんが、そのようなことはありません。コンピューターウイルスは、日々新しいものが生み出されており、その数は膨大です。そのため、ほんのわずかな検出率の差が、リスク回避の観点では大きな影響を生み出します。
また、有料版のウイルス対策ソフトは、新種のウイルスにも迅速に対応できるのが特徴です。
【違い3】運用サポート・アップデート
無料版のウイルス対策ソフトには運用サポートがついていないため、トラブルが起きたときは自分で対処しなければなりません。また、アップデートの回数もそれほど頻繁ではありません。
有料版のウイルス対策ソフトは、操作手順から運用サポートまで幅広くサポートしてもらえるのが魅力です。トラブルが起こった場合は、電話やチャットで迅速に対応してもらえるでしょう。また、アップデートの回数も無料版より多いため、常に最新の状態で運用できます。
【違い4】広告の有無
無料版のウイルス対策ソフトは、運営コストを捻出するために広告が表示される場合があります。人によっては広告が過剰に感じ、わずらわしさを覚えるかもしれません。また、まれにマルウェアを内蔵している場合があるため注意が必要です。
一方、有料版のウイルス対策ソフトに広告が表示されることはありません。
【違い5】プライバシー保護
無料版にもプライバシー保護機能が付いているウイルス対策ソフトはありますが、それほど多くはありません。一方、有料版のウイルス対策ソフトには個人情報を守り、不正アクセスを防ぐプライバシー保護機能が搭載されているものが多数あります。
無料版ウイルス対策ソフトのメリット
無料版ウイルス対策ソフトの最大のメリットは、コストをかけずにウイルス対策が導入できる点です。必要最低限のセキュリティニーズを満たしているため、気軽に使えるでしょう。また、動作が軽いため作業の妨げにならず、快適に使えるのも魅力です。
ダウンロードしてインストールすれば簡単に使えるため、パソコン初心者の方でもスムーズに導入できるでしょう。
無料版ウイルス対策ソフトの注意点
無料版ウイルス対策ソフトは、ウイルス検知はできますがそれ以上の機能は備わっていないものが大半のため、注意が必要です。また、サポート体制が限定的なため、ウイルス検知後や故障時の対応は自分で行わなければなりません。
なかには商用利用が制限されているものもあるため、ビジネス目的で利用する場合は事前に商用利用可能かどうか確認しておきましょう。そのほか、有料版のトライアルとして提供されているソフトは利用期限が設けられているため、継続的なサービスが受けられない点も注意が必要です。
有料版ウイルス対策ソフトのメリット
有料版ウイルス対策ソフトの大きなメリットは、機能が充実している点です。ウイルス検知機能のほか、拡張機能として迷惑メール対策やお子様が使用する際の保護者による管理などを備えています。より強固なセキュリティ対策を講じたい場合は、有料版ウイルス対策ソフトを選ぶとよいでしょう。
また、有料版ウイルス対策ソフトはWindowsをはじめ、Macやスマートフォンなど、すべての端末に対応しています。使用する機器すべての安全を保護できるのも、有料版ウイルス対策ソフトのメリットです。
有料版ウイルス対策ソフトの注意点
有料版ウイルス対策ソフトを導入する際、コストがかかるというデメリットがあります。製品自体を購入するケースや月額費用が必要なソフトなど、支払方法はさまざまですが、決して安い買い物ではありません。人によっては無料版で十分だという場合もあるため、最初に費用対効果をしっかり見極める必要があります。
また、ソフトによってはパソコンの動作が重くなるものもあります。場合によっては業務に支障が出ることもあるため、動作が軽いかどうかを事前にチェックしておきましょう。
なかには、サポート受付時間が限られているソフトもあります。トラブルが発生したけれど、サポート受付時間外で対応してもらえないという事態を避けるために、サポート受付時間を事前に確認することも重要です。
企業がウイルス対策ソフトを選ぶポイント

ここからは、企業がウイルス対策ソフトを選ぶ際に、必ずチェックしておきたいポイントをいくつかピックアップして紹介します。
操作性・使いやすさ
ウイルス対策ソフトは機器や通信の状態を常にチェックしているため、パソコンの動作が遅くなる可能性があります。特に古いパソコンの場合、ウイルス対策ソフトがメモリやCPUを圧迫してしまうことがあるため注意が必要です。また、管理画面が使いづらいものを選ぶと、操作に時間がかかってしまいます。
ウイルス対策ソフトを導入したばっかりに生産性が下がった、などということがないように動作が軽快で使いやすいソフトを選びましょう。
機能やコスト
ウイルス対策ソフトは機能の充実度に比例してコストも高くなります。また、初期費用だけでなく年間更新料も必要です。いくら機能が充実していても、更新料が高いと長期的に見て負担が大きくなる可能性があります。
とはいえ、コスト削減のために基本機能しかついていない無料版ウイルス対策ソフトを選ぶのもおすすめしません。特に企業で使用する場合、無料版ウイルス対策ソフトでは十分なセキュリティ対策を講じているとはいえません。
予算の範囲内で、必要な機能が備わっているウイルス対策ソフトを選びましょう。
サポート体制の有無
メーカーのサポート体制も事前にチェックしましょう。緊急事態が起きたときに回答が遅かったり、十分なサポートが受けられなかったりすると、被害が拡大する恐れがあります。24時間体制でサポートが受けられるウイルス対策ソフトを選ぶと安心です。
まとめ
ウイルス対策ソフトには無料版と有料版があり、それぞれ機能が異なります。企業で使用する場合は、セキュリティ対策が充実した有料版ウイルス対策ソフトを利用しましょう。
ただし、ソフトによって機能やサポート内容、値段が異なります。そのため、どのような機能が付いているのか、またどれくらいのランニングコストがかかるのかを事前にチェックしなければなりません。複数のソフトを比較して、自社のニーズに合ったウイルス対策ソフトを選びましょう。

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